背景:GPC3タンパク質は肝臓がん治療の新たなターゲットとして期待されています。GPC3を標的とするCAR-T細胞、ワクチン、二重特異性抗体が前臨床および臨床段階で評価されています。従って、T細胞とがん細胞を同時に結合させる二重特異性抗体分子の設計は、リンパ球性悪性腫瘍や固形腫瘍の治療において重要な進展方向となっています。
方法:ヒトGPC3ペプチドを用いてCAMouse®マウスを免疫し、ハイブリドーマ電気融合および半固体培養スクリーニング技術プラットフォームにより抗GPC3特異的完全ヒトモノクローナル抗体を得ました。一方、GPC3/CD3二重特異的抗体を構築し、in vivoおよびin vitroで評価し、最終的に臨床応用価値のあるGPC3/CD3二重特異的完全ヒトモノクローナル抗体医薬品をスクリーニングし、獲得しました。
結果:5株の抗GPC3特異的完全ヒトモノクローナル抗体を獲得し、1株のGPC3モノクローナル抗体をピックアップし、GPC3/CD3二重特異性抗体を構築しました。in vitro評価おいて、二重特異性抗体はGPC3依存性腫瘍細胞に対して良好な殺傷効果を示し、in vivo評価では、異種移植腫瘍の増殖を効果的に抑制することが確認されました。
*CAMouse®マウスを用いた5回免疫後の血清ELISA力価の評価
*GPC3モノクローナル抗体の結合活性と親和性解析
*GPC3/CD3二重特異性抗体はT細胞を活性化し、GPC3依存性の腫瘍細胞殺傷効果を媒介
*GPC3/CD3二重特異性抗体による異種移植腫瘍増殖抑制効果
参考文献:
1: https://doi.org/10.1007/s10637-020-01033-x;